Italia 「クリスマスの悲劇」

 「イタリアで過ごすクリスマス!」というととても響きがいいのに・・・
なんと私は、急性胃腸炎(おそらく)になり、クリスマスどころではなく、気付いたら27日、もう年末でした。
イブの朝、普通に出勤し、お昼に家に帰って軽いランチと、モッツァレラとトマトのカプレーゼを作って食べました。
するとしばらくした後、突然はげしい胃痛に襲われ・・!どうやらモッツァレラに当たったのか、それしか思い当たりませんが、まったくひどい目にあいました。買ったばかりだったのに…!しかもモッツァレラ菌(?)はけっこうしぶとくて、27日の今日まで、ちょっと引きずっています。
 本当は、昔ホームステイで一緒に暮らしていたイタリア人のマンマとその家族と一緒に、彼らのキャンティの別荘で過ごす予定だったクリスマスが、一人ベットでおかゆとともに過ごすはめに。。

 イタリアでは26日も祝日なので、世の中は25−26と2連休。
でも、考えてみればこちらに来てから、ポルトガル旅行以外で2連休は取ったことがなかったので、いっそこれを機に思いきり休もうと割り切り、家族や日本の友達とスカイプしてみたり、映画や、ネットで日本のドラマを見たりして、だらだらと過ごしてみました!

 そして病み上がりの今日、丸2日半ぶりに朝家を出て工房へ向かったら、2、3日ろくに食べていないせいで、なんだか体に力が入らず…体がとても重い。。食べることってこんなに重要なのか・・と痛感しながら工房へ。
 足取りも重く、顔色も悪く、そんな私を見かねて、お昼休みはマエストロにランチに連れて行かれ、いつもの行きつけのお店で「胃腸にやさしいもの」と彼が特別に注文してくれたのは、、なんと、鶏の胸肉のソテー・・! スープとかリゾット、とかではなく。
「胃腸炎の病み上がりの人間に鶏肉のソテー!」と、内心若干怯えましたが、クリスマスにチキンを食べられなかった未練があったので、ここは彼を信じていただきました。さらに「顔色悪いしワインも少しね」と。「飲みたいけど今日はやめとく!」と断ったけれど、「Gocciolina(ゴッチョリーナ)なら平気だよ」と。(「ゴッチョリーナ」とは、直訳すれば「一滴」、となりますが、要するに「少し」という意味。しかし往々にして彼らの「一滴」は、グラスにたっぷり一杯です)
 結局私がワインの誘惑に勝てるはずもなく、鶏肉も、例によってすごいボリュームで出てきたので気休めに少し残しましたが、そのおかげなのか、午後は案外調子がよく、妙に元気に仕事にとりかかりました。鶏肉のおかげか、少しエネルギーを取り戻した気がします。

イタリア的ショック療法は、私には、効いたようです。あまりおすすめはできませんが。
普段おいしく食べられる幸福を痛感した3日間でした。

<フィレンツェのドゥオモ前>